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| 2020.01.26 Sunday | - | - |
愛が訪れる時

 東京フィルメックスで 私が鑑賞した3本目は、
 台湾のチャン・ツォーチ監督の 『愛が訪れる時
 私が観た3本の中でも一番の混雑ぶりで、
 監督の人気の高さが伺えました。


まず、音楽がいい。 カメラワークもいい。
オープニングから引きつけるものがありました。

10代の女の子・ライチュンは、繁盛するレストランの長女として生まれ、
大家族の中で暮らしているのですが、その家族構成がちょっと複雑。
前半は、その関係性がよく分からないようになっていて、
ライチュンの家族に対する憤り、閉塞感、孤独感が、
若者特有の反抗期としか映らず、ただのわがまま娘にしか見えません。

特に、女系家族同士の口喧嘩が、とにかく やかましいったら ありゃしない。
甲高いキンキン声で 延々と続く口論に、頭痛がして「やれやれ」とウンザリ。
(こういう時、私は完全に男目線です。苦笑)

後半、ライチュンが妊娠してしまったことから、
徐々に この家族が抱える問題が浮き彫りになってくるのですが、
前半で 彼女に苦手意識を持ってしまった私は、同情する気になれなかった。
(役柄が苦手なだけで、この女優さんが苦手という意味ではないです)

ライチュンの心情の変化も、ちょっと予定調和な気がしました。
彼女は、そんな簡単に 変われるものかしら? 
心の傷とか、家族との軋轢とか、溝は もっと深い気がするのだけれど。
(私が単に ひねくれてるだけでしょうか?)

どこか「めでたし、めでたし」的な ハッピーエンド風の終わり方をしたものの、
私には「この人たち これからどうするんだろう?」という不安が残りました。
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| 2010.11.30 Tuesday | 2010 movie | comments(0) |
夏のない年

 東京フィルメックス コンペティション部門の中から
 私が鑑賞した2本目は、マレーシア映画 『夏のない年


マレーシアの映画なんて、滅多に観られるもんじゃないし、
それだけで ワクワクするではありませんか!

昨年のフィルメックスで観たスリランカ映画『2つの世界の間で』 もそうでしたが、
日本ではなかなか公開されることのない国の映画というだけで、好奇心がくすぐられます。
そして、本作の作品紹介にも 前記事に書いた魅惑のキーワードが(笑)

オープニングの海辺に男が登場するシーンでは、ゾクゾクしました。
(そういえば、『2つの世界の間で』も、冒頭の海のシーンにノックアウトだった)

前半は、夜釣りのシーンが延々と続きます。
月明かりと海が美しいのですが、淡々とした長回しに眠気が襲ってきて、睡魔との戦いに・・・

しかしながら、この前半が大事なんですね。
重要なエピソードが潜んでいて、うっかり聞き逃すと後半がちっとも解らず、
つまらなくなって 損してしまうでしょう。 (キーワードは「蟹」です)

私は 睡魔をなんとか倒したおかげで(?)、後半がすごく胸に響きました。
この監督の持つ静かなトーンはいいかも・・・!  好きかも!? です。
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| 2010.11.30 Tuesday | 2010 movie | comments(0) |
トーマス、マオ
11月20日(土)から開催された 東京フィルメックス
昨日 28日(日)に 閉幕しました。

私は、コンペティション部門の中から 3本を鑑賞したのですが、
1本目は、中国映画 『トーマス、マオ』です。


 内モンゴルを舞台に、英語しか話せない西洋人(トーマス)と
 中国語しか離せない東洋人(マオ)の男2人が繰り広げる
 奇妙な数日間を 自由な発想で撮った作品です。


フィルメックスの傾向として、フライヤーの作品紹介に
「過去と未来」「夢と現実が交錯」「幻想的な映像美」
なんていうキーワードが出てくる場合は、気をつけなければいけません(苦笑)

本当に摩訶不思議というか、ストーリー的に掴みどころがないというか、
難解なアートフィルムっぽい作品であることが多いのです。
でもって、私は 先に挙げたキーワードに惹かれる傾向があり、
困ったことに 居ても立ってもいられなくなるのです(笑)

本作も それに該当しており、事前に読んだレビューでも
「頭が混乱する」だの、「観た人にしか分からない世界観」
というようなことが書いてあったので、かなり身構えて見に行きました。

そのせいか、思ったほどの奇想天外ではなく、理解に苦しむほどの仰天は無かったです。
(ストーリーは説明しづらいし、不思議な作品であることには間違いないのですが)

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| 2010.11.29 Monday | 2010 movie | comments(0) |
トークショー@MOT
タイの映画監督 アピチャッポン・ウィーラセタクンの作品には、
得体の知れない “ 何か ” を感じます。

それが何なのかは、正直 よく解りません。 だからこそ、気になるわけですが。


 そのアピチャッポン監督の
 トークショーが行われるということで、
 先日、東京都現代美術館(MOT)に行ってきました。

 現れた監督は、噂どおり 穏やかで 温厚な人柄でした。
 “ 奇天烈なアーティスト ” という雰囲気が一切なく、
 それが一風変わった作風と結び付かず、
 ますます解らなくなってきました(苦笑)

 まあ、おかげで 私の好奇心が
 とどまることはなさそうですけれど。


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| 2010.11.29 Monday | 2010 voice | comments(0) |
ひかり
前回の記事から 2ヶ月が経ちました。

9月半ば頃から 母が体調不良を訴え、検査をした結果、病気が見つかりました。
治療をするためには手術が必要で、翌日には入院、2日後に手術となりました。

手術の日は、展示会の前日で搬入日。
正直なところ、展示会ができる状況ではなく、一時は 中止も考えました。
しかし、それには あまりにも直前すぎたのです。

会場のオーナーさんのご厚意で 搬入を初日の朝に変えていただき、
周りの人たちの協力もあって、なんとか開催することができました。
今回 展示会を開くことができたのは、奇跡だと思っています。

展示会後には母も退院して、通院での投薬治療が始まりました。
闘病生活が長くなることは、覚悟しておかねばならないようです。

そんなわけで、2ヶ月前から 私の日常生活はガラリと変わりました。
最初は 急激な生活の変化に戸惑い、毎日毎日 必死でした。

精神的にも 体力的にも 参っていて、ブログを書く気になれず・・・
(仕事ブログだけは、頑張って続けていましたが)


 最近では、母も少しずつ明るさを取り戻していて、
 私も、日々 母の小さな変化に 一喜一憂しながらも
 ようやく 生活のペースに慣れてきました。

 先日、久しぶりに 映画を観に行ったのです。
 これを機に ブログを再開してみようかと思います。

 今回、大切なことをたくさん感じ、考え、学び、
 また一つ 大人の階段を昇ったような気がします。
 (まあ、実際 一つ年をとりましたけど)

 これは、きっと 私に与えられた試練。
 そして、乗り越えられない試練はない。
 明日という字は 「明るい日」 と書くのですから。


| 2010.11.28 Sunday | 2010 voice | comments(2) |