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怒り
水曜レディースデーなので、映画『怒り』を観に行きました。

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 映画『悪人』コンビの
 吉田修一原作×李相日監督の再タッグ。
(ちなみに、原作は未読)

 千葉、東京、沖縄
 3都市で物語が同時進行する
 群像劇なのですが、キャストが豪華です。

 千葉:渡辺謙、宮崎あおい
    松山ケンイチ
 東京:妻夫木聡、綾野剛
 沖縄:森山未來、広瀬すず


あおいちゃんが役作りのために7キロ増量したとか、
ゲイカップル役の妻夫木君と綾野君が
実際に同居生活をしてみてから撮影に入ったとか、
そういった情報を耳にして、ずっと気になっていたんです。

(正直、あおいちゃんが太ったのは見た目に分かりづらく、
 太らなくちゃいけなかった理由も分からなかったけど)

実力ある俳優陣が、文字通り体当たりで
迫真の演技をしているから、見応えは十分。

なのですが、それぞれのファンの人は、もしかしたら
観ない方がいいかもしれないなあ〜とも思いました。
それぞれ今までのイメージとは違う役柄や設定で、
ファンなら見たくない部分もありそうだから。

主要キャストの皆さんは、
この仕事を受けるのに勇気と覚悟が要っただろうな。
特に、広瀬すずちゃん。
事務所的に引き受けて良かったのかしら?と心配になった。
「モデル」ではなく「女優」としてやっていくなら、
良いキャリアになるかとは思うのですが。

※以下、ネタバレあり。

映画の3分の2くらい(容疑者の整形後の写真が公開されたあたり)に差し掛かったところで、
「事件の犯人が誰なのか、解明しないまま終わるのかな」と、なんとなく思ったんです。
それもアリだな、と。

なぜなら、疑惑をかけられた人と、その人物に関わる人々の心理描写と演技が非常に巧みだったから。
サスペンスとして見るなら犯人捜しは重要だけど、
人間ドラマとして見たら完成していると感じたから。

あと、「救いようのないラストを迎えるかも?」と、心の準備もしながら見守っていました。
(どんだけひねくれた見方をしているんだか)

スコリモフスキ監督の『イレブン・ミニッツ』 や
アンゲロプロス監督の『エレニの旅』なんかは、絶望的な終わり方をしますから。
(いずれもヨーロッパのアート系作品だから、比較対象にならないか)

まあ、内容的にシリアスとは言え、やはり“日本のエンターテインメント作品”ですから、さすがにそこまでリスキーなことはしません。

最後には犯人も分かりましたし、わずかながらも救われるラストになっていました。

誤解のないように付け加えると、絶望的な結末の映画が好きなわけではありません。(断言)
また、本作に関しても、好きか嫌いかは、正直わかりません。
観てて辛い内容だったし。
だけど、すごい作品だと思います。
主要キャストの誰もが、日本アカデミー賞の最優秀主演(助演)賞を獲れそうなくらいの演技力。
実在する人物じゃないかと錯覚するくらいの演技は、高く評価したいです。

| 2016.10.26 Wednesday | 2016 movie | comments(0) |