世界から猫が消えたなら

 オンデマンドで
 『世界から猫が消えたなら』を観ました。

 普段なら、あまりチョイスしないジャンル。
 選んだ理由は、佐藤健君と
 宮あおいちゃんの演技が観たかったから。
 それと、配信終了日が近づいてたから。
 あとは、なんとなく泣きたかったのかな。

 でも、自分でも意外なくらい冷静に
 フラットな気持ちで観ていて、
 切なかったけど、涙は流れませんでした。


なんでかな。
ファンタジーの要素が強かったからかな。

なんだろうな。
そこに有る無償の愛の尊さに、自分のエゴを恥じたのかもしれない。

そうそう、脚本が岡田惠和さんだとは知りませんでした。
もっと、ちゃんとセリフを意識して観ればよかった。

あと、本編よりも、エンドロールで HARUHIが歌う主題歌
『ひずみ』が流れた時の方が、涙腺はヤバかったかも。

決して巧い歌い手だとは思わないけど、歌声に意志の強さを感じる。
ちょっとCoccoっぽいかな、歌い方が。
(そして、小林武史のメロディー、ずるいよね)


| 2017.11.04 Saturday | 2017 movie | comments(0) |
三度目の殺人
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 勝手に2本立ての2本目は、
 是枝裕和監督の最新作
 『三度目の殺人

 主演は、福山雅治、
 役所広司、広瀬すず。


どうしても、これの前に観た『散歩する侵略者』と比較してしまうわけですが、
こっちの方が良かったです、私的には。

そして、そうなると、どうしても「黒沢VS是枝」のようになるわけですが、
是枝監督の方に軍配をあげたくなりました、私的には。

何が真実で、何が正論で、何が正義なのか。
真相を明らかにすることが、本当に幸せなことなのか。
答えが出せないままに終わるラストも、是枝監督らしいというか。

知らずに観たのですが、本作には 斉藤由貴が出ているのですね。
まあ、先の不倫報道があったせいで、発言がすべて嘘に聞こえてしまい、
それが役と同化して、逆に映画に絶妙なリアリティを与えてしまった、
という監督もビックリの効果あり、でした(苦笑)
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| 2017.10.25 Wednesday | 2017 movie | comments(0) |
散歩する侵略者
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 勝手に2本立ての1本目は、
 黒沢清監督最新作
 『散歩する侵略者

 主演は、長澤まさみ、
 松田龍平、長谷川博己。


いやあ、ちょっとガッカリ・・・でした。
何なんでしょう、このB級感は?
メジャーな俳優を集めたのに、なんだか自主制作した映画っぽい。

えーと、黒沢監督、真剣に撮って・・・ますよね?
もう、いっそのこと、「ふざけちゃいました!(テヘペロ)」
と、おどけて言われた方が、まだ救われる(涙)

たぶん、まず設定に B級感が漂ってる気がするんですよね。
宇宙人が地球を侵略するっていう話なんだけど、
なんでターゲットが日本だけなのよ?っていう(苦笑)

そしたら、この映画って、もともと舞台の作品が原作としてあるそうで。
ああ、それなら納得。 舞台という限られた空間で描くのであれば、
むしろミニマムな世界の方が、人物の心理描写が生きてくる気がするから。

ところが、これが映画となると、一気にチープになるというか。
その他、とにかく「なんで、そうなるの!?」とツッコミどころ満載で。

私、黒沢監督のオリジナル作品の方が好みなのかも。
(まあ、全部観てるわけではないので、偉そうなこと言えないけど)

ここ数年の原作ありきで撮られた
クリーピー 偽りの隣人』『岸辺の旅』は、いずれもグッとこなかった。

あ! でも、映画じゃないけど、『贖罪』は良かった。
(だけど、それは原作が 湊かなえだったから、かな・・・)
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| 2017.10.25 Wednesday | 2017 movie | comments(0) |
パターソン
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 先日、ジム・ジャームッシュ監督の
 『パターソン』を観ました。

 パターソンという街に暮らす
 パターソンという名のバス運転手の
 平凡で変わり映えはしないけれど、
 愛情に溢れた一週間を描いた物語。

 ※あらすじは公式サイトをご覧ください。


予告編を観ると、何かが起こりそうな気配を漂わせていますが、
重大な事件が起こることはない、静かで穏やかな映画です。
(予告編の作り方は巧いけれど、これだと誤解されそう)

非常にシンプルな作品なのですが、映画が終わった時、
皆さんが寄せているような感想を持たなかった私。
なんだか、すごく考えてしまった自分がいて。
どうも単純に幸福感を味わう余裕がなかったというか。

なぜかしら?と、鑑賞後に考えてみました。
行き着いた答えは、主人公のパターソンが綴る詩が原因ではないか、と。

彼の趣味は、詩を書くこと。
毎朝 職場に着いてからバスが出るまでのわずかな時間や、
帰宅してから地下の小部屋でノートを開き、日々の想いを詩に綴ります。

その時、スクリーンの左上には彼が綴るスピードで
詩がテロップのように表示されます。(もちろん英語で)
そして、スクリーンの下部には、日本語の字幕が出ます。

この映画に登場する人物が、こんなことを言います。

「詩の翻訳は、レインコートを着てシャワーを浴びているようなもの」

なるほど、言い得て妙です。

翻訳した文章って、何が書かれているか、内容を理解することはできる。
でも、原文が持つニュアンスとか、余韻とか、リズムとか、韻の踏み方とか、
そこから生まれる情景みたいなものは、ダイレクトには伝わらないですよね。
(日本語の俳句を英訳した時の味気なさも然り)

本作で私は、まず英語の原文を読み、日本語字幕を後追いで読み、
その詩が表現しようとしていることを想像してみる・・・
という作業を繰り返していたみたいなんですね。

しかも、その詩が単純明快なものであれば問題なかったのですが、
解るような 解らないような内容だったものですから、
余計に脳ミソを使ってしまい、映画の世界観を楽しむ以前に
くたびれてしまったのかな、というのが自己分析の結果です。

分析結果はこのくらいにして、映画の感想も少し。

パターソンと妻のローラは、それぞれ趣味で芸術活動をしています。
パターソンは詩を書き、ローラは家の中をペインティングしたり、
ギターを買ってもらってカントリー歌手を目指そうとしたり。
この二人、キャラクターは正反対なんだけど、お互いの才能を認めていて、
付かず離れずの距離感が とってもステキだな、と思いました。

決して裕福ではないけれど、精神的な豊かさがあるから、
彼らはとても幸せそうに見えるのです。
その証拠に、二人が日々の暮らしに不平不満を言うシーンがない。
無理したり、何かを我慢している様子もなく、二人の日々に満足している。
それって、素晴らしいことだと思います。
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| 2017.09.17 Sunday | 2017 movie | comments(0) |
東京日和
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 先日記事を書いたことで、
 映画『東京日和』を
 もう一度観てみよう、
 という気持ちになりまして。

 久しぶりに観てみました。


この映画を初めて観た時にも感じたのだけれど、
主人公の妻・ヨーコ役の中山美穂が、ちょっと・・・

この映画の要は、なんといってもヨーコです。
彼女の少し危うさをはらんだ神秘的でさえもある美しさに
リアリティーがないと、始まらない作品だと思う。

その点、中山美穂の外見は十分にクリアしています。
ただ、「その点だけ」というか、それ以外は・・・

さらに、撮影からだいぶ時間が経過した今観ると、
中山美穂の私生活のゴタゴタやら、余計な情報が邪魔して、
「ヨーコ」ではなく、「中山美穂」を見ているような感じで。

例えば、宮沢りえだったら?
(映画『トニー滝谷』で、既に似たような役は演じてるか)

例えば、麻生久美子だったら?
(映画『たみおのしあわせ』で、謎めいた美人は演じてるか)

と、空想キャスティングが始まってしまいました(苦笑)

あと、この作品にはいろんな人がカメオ出演しているのですが、
結構忘れている場面が多かったです。

主人公・島津が、地下鉄の電車内で向かいに座っている
軍服姿の怪しい男を隠し撮りするシーンがあるのですが。
その男が塚本晋也監督だったことはうっすら覚えていたけれど、
それに文句を言いにくる女は、ふせ(えり)さんだと思い込んでた。
(正解は、山口美也子さん)

あと、周防正行監督が郵便配達人だったり、
中島みゆきがママのスナックで島津と飲んでる相手が、
森田芳光監督だったり。
ベンチで本を読んでる青年が、浅野忠信だったり。

下北の小劇場スズナリで、入場待ちで並んでいる時に
島津のファンだと近づいてくる若い女の子役が、
内田也哉子さん(注)だったり。
(注:内田裕也& 樹木希林の娘で、本木雅弘の奥さん)
そして、也哉子さんの喋り方や声が、
映画『あん』に出演していた娘の伽羅ちゃんと
そっくりで、これまたビックリ。

それにしても。
大貫(妙子)さんの主題歌は、切ない。切なすぎる。
観賞後、この曲に感情が持っていかれてしまっていて、
どうにも表現できない制御不能なこの気持ち、
どうにかせねばと思うのですが、どうにもできそうにありません。
| 2017.08.14 Monday | 2017 movie | comments(0) |
クリーピー 偽りの隣人
黒沢清監督の『クリーピー 偽りの隣人』を観ました。

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 監督やキャストに期待していただけに、
 イマイチだったかな・・・

 予告や宣伝用ポスターに
 「あの人、お父さんじゃありません。
 全然知らない人です。」とあるので、
 隣人の父娘が本当の親子ではないことは
 観る前から明らかで。

 「衝撃のサスペンス・スリラー」とあるけど、
 それほど衝撃はなかったし、ハラハラもせず。


なんか、描き方が浅かったり、不自然だったり、展開が甘かったりで、
後半で真相は明らかになるものの、なんだかなあ〜。

そういえば、ベルリン映画祭で上映された時、
会場から笑いが起きた、というエピソードを聞いたけど、
一体どこで笑ったのか、非常に気になりました。
そんな笑えるシーン、あったっけ??

あと、主人公の高倉夫妻が引っ越してきた家。
家の中のシーンは、セットじゃなくて、
本当の戸建住宅を使って撮ったのではないかしら?
トウキョウソナタ』に出てきた家と雰囲気が似てて。

キッチンとリビングの間に、柵のような木の装飾があって、
それが昭和レトロで素敵だなあと思って、記憶に刻まれたのです。
岸辺の旅』を見た時にも書きましたが、
黒沢監督作品に出てくるインテリアは、モダンでセンスがいい。

※以下、ネタバレあり

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| 2017.07.17 Monday | 2017 movie | comments(0) |
あなたと私の合言葉 さようなら、今日は

 市川崑監督の1959年公開作品
 『あなたと私の合言葉
  さようなら、今日は
』を観ました。
 注:「今日は」の読みは「こんにちは」

 「メロドラマ」というので、
 どんなに「メロ」なのかと構えてましたが、
 「メロ」なのは和田弘とマヒナスターズの
 主題歌だけだったかも(苦笑)

 (ところで、「メロドラマ」の「メロ」は
 「メロメロ」の「メロ」ではなく、
  ギリシャ語で「歌」を意味する
 「メロス」から来ているそうです)


さて、序盤のいくつかの場面を見て、小津監督を意識してるような気がしました。
設定なんかも小津作品に似ているし。(私の勘違いかもしれませんが・・・)

主演の若尾文子の抑揚のない台詞の言い方とか(ロボットみたいだった!)
勝気な関西弁の京マチ子が『彼岸花』の山本富士子とダブって見えたり。
おまけに、お父さん役が(小津作品では常連の)佐分利信だし。
妹のキャラが、今時の女の子でちょっと生意気ってところも、よく似てる。

ただ、(当たり前だけど)撮り方や演出が全然違う。
市川崑監督はモダンに撮るけど、小津監督のモダンは一味違う。
自分の美学が入り込んでる「ウルトラ・モダン」なのです。
(いわゆる「小津好み」)

映画の中で、父親(佐分利信)が和子(若尾文子)たちへのお土産に
銀座の「不二家」でお菓子を買って帰るシーンがあるのですが、
これ、小津監督だったら、もう絶対に「ユーハイム」ですからねっ!
(ユーハイムの包装紙の配色とデザインが好みだったから)
そういう細かいこだわりは、頑として譲らないのが小津スタイル。
いつも必ずユーハイム。(『彼岸花』でも手土産で出てきた)

そうそう、本作は小説が原作の映画なのですが、よくよく調べてみたら、
市川崑が久里子亭のペンネームで連載していた小説を自ら映画化した(!)そうで。
(なんなの、その遠回りな感じ? 笑)
だとしたら、やはり小津作品を意識して書いたのでしょうか??
(ちなみに、『彼岸花』の公開は、1958年)

そして、いろいろ調べていくうちに、真相を突き止めました!
キネマ旬報社から出版された『女優 若尾文子』によると、
本作は市川崑が尊敬する小津安二郎の映画を真似しようとして
企画されたものなんですって。(ほらね、やっぱり!!)

それはさておき、この映画のタイトル、ちょっと意味深ですよね。
映画の中で、特に合言葉が出てくるわけでもないのですが。

ラストシーンの若尾文子の表情、私は好きでした。

映画としては・・・
小津作品と比較してしまうと、どうしても劣って見えるかなあ・・・
ていうか、小津監督へのオマージュなんて、やらなくてもいいのに。
市川崑作品には、小津作品にはない素晴らしさが詰まっているのだから。

なんか、市川崑監督の映画の感想というより、
「小津安二郎考」のようになってしまいました、すみません(汗)

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| 2017.07.10 Monday | 2017 movie | comments(0) |
炎上

 映画『炎上』(1958)を観ました。
 三島由紀夫の小説『金閣寺』をもとに
 市川崑監督が映画化したモノクロ作品です。

 お恥ずかしい話ですが、
 私、『金閣寺』は未読。
 あらすじを読んで、なんとなく
 その世界観に入り込めない気がして。

 本作は、映画化にあたり、
 紆余曲折あったそうです。
 金閣寺サイドから映画化を拒否されたり、
 主役交代になったり。
(その辺りは、wikiを参照)


私、市川雷蔵の主演映画を観るのも初めて。時代劇って、あまり観ないし。
歌舞伎役者で、“時代劇の貴公子”としても人気があった雷蔵さんが
ノーメイク、しかも頭を丸刈りにして挑んだ初の現代劇が本作だったそうで。
(原作と市川崑監督のファンだったから、オファーを快諾したらしい)

でも、その先入観なしで観たことが、プラスに働いたかも。
雷蔵さんの演技、とても良かったんです。
「吃音症の学生・溝口」という主人公を演じるにあたって
「二枚目スター俳優」という冠は邪魔だったかもしれませんが、
私には 雷蔵さんが「内向的で地味な溝口青年」にしか見えませんでした。
うつむきがちで、表情も暗く、美形といった印象はなく・・・
(そして、全然似ていないのに、なぜだか時折 三島由紀夫ともダブって見えた)

三島由紀夫はこの配役に「この人以上の適り役はない」と喜んだそうです。
映画界でも演技力を高く評価され、数々の主演男優賞を受賞。
結果として「俳優・市川雷蔵」の代表作となり、
役者として演技の幅を広げた作品となりました。

そして、同じ大学に通う足が不自由な学生・戸刈役には仲代達矢。
戸刈は、溝口とは対照的なキャラクターで、
態度も横柄だし、口調も荒く、障害を逆手にとって女を誘惑するような男。
仲代さんがね、巧いんだな、これがまた。
永遠の人』の時もそうだったけど、こういう気性の激しい男を演じさせると、
目力も相まって、腹黒さとか、冷酷さや狂気みたいなのが出てくるんですね。
(今は年とったせいか、目力が和らいできたように思いますが)

あと、回想シーンへ移る映像の手法が良かったです。
そして、タイトルにもあるクライマックスの「炎上」シーン。素晴らしかった!
これは、市川監督のセンスとカメラマンの力量によるものでしょう。

さて。
金閣寺の美しさを崇拝し、その美に執着する主人公・溝口の心情を
一生懸命 想像して、歩み寄ろうとしたのですが、
結局 最後まで その美意識を理解することはできませんでした。
現代で言ったら、「好きな気持ちがエスカレートしてしまい、
ストーカーと化したアイドルオタク」みたいな感じでしょうか??
| 2017.07.03 Monday | 2017 movie | comments(0) |
あん
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 河鹹照監督の『あん』を観ました。
 先日観た『』の流れで、
 永瀬正敏の演技が気になったから。

 本作は、樹木希林さんの存在感がなくては
 成り立たない映画だと思いました。
 でも、スタンドどら焼き屋の雇われ店長を演じた
 永瀬さんの演技も良かった。

 今回の「店長さん」の役は
 あまり感情を露わにすることは少なくて、
 ちょっとした表情や後ろ姿から
 滲み出るような演技、とでも言いましょうか。


『光』もそうでしたけど、河鶸篤頂酩覆捻弊イ気鵑演じる役に共通するのは、
希望を見失って、空虚な日々を送っている点。
たぶん、河鶸篤弔榔弊イ気鵑涼罎砲△覬△箘イ譴澆鮓出したのでしょうね。

後半、ちょっと泣きました。
ストーリー展開は ある程度 読めていたので、
悲しくはあったけれど、そこで涙したわけではありません。
永瀬さん演じる店長さんの涙に、もらい泣きしたのです。

ネタバレになるので詳細は書きませんが、
店長さんは、自分を信じて親身になってくれた人を二人 失っているんです。
その人たちの恩義に報いることができないまま。
それは、どんなに悔しかっただろうなあ、と思って。

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| 2017.06.25 Sunday | 2017 movie | comments(0) |

 河鹹照監督がカンヌで
 エキュメニカル賞を受賞
した
 『』 を観ました。

 観終わって、しみじみ
 「いい映画だったなあ」 と思いました。

 ただ、それだけではない、
 何か言葉では言い表せないような感情もあり。
 頭の中を整理したくて、
 久々に 映画館を出てから
 一人あてもなく歩きたくなった作品でした。


まず感じたことは、監督自身も認めていますが、
「河鹹照色」が薄れて、大衆向けに作られているところ。
初期の作品は、結構クセが強くて、好き嫌いが分かれました。
まあ、舞台が(出身地の)奈良なのは、相変わらずでしたけど。
あと、人物のクローズアップを多用していたのが、気になりました。
インタビューを読んでいると、意図的なものらしいですが、
河鶸篤弔辰董以前からそうだったっけ??

作品を分かりやすく作るようになったのは、前々作の『あん』からだそうで、
今回主役の雅哉を演じる永瀬正敏は、『あん』に続き2度目の起用。
(『あん』 は未見)

私は、若い頃の永瀬正敏が好きでした。
年を重ねて渋みが増して、役者としてもキャリアを重ねていますが、
「年とった」感は否めず。
なんでしょうね、何か「輝き」みたいなものが
失われたように見えてしまうのです、私には。

本作に関して言えば、それがむしろ効果的だったのかもしれません。
「病のために視力を失いかけている天才カメラマン」という役柄が、
まるで乗り移っているかのような存在感でした。
(監督からは、演じるのではなく、その人物になりきることを求められたそうです)

生まれつき視覚障害のある人と、もともと見えていたのに見えなくなる人とでは、
世界の見え方・捉え方がまったく異なると思うんですね。
その不安とか恐怖、苛立ち、反発、苦悩・・・ 
全身から にじみ出ているかのようでした。

この映画のラストは、タイトルそのものだったと思います。
絶望することがあったとしても、人はそこに希望の光を見出すことができる。
それは、その人次第でもあるけれど。


 写真中央
 (ちょっと分かりづらいですが)

 映画館を出てから、
 一人で歩いている時に
 偶然 路上に見つけた虹色の光。

| 2017.06.08 Thursday | 2017 movie | comments(0) |
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