湯を沸かすほどの熱い愛
地上波で放送された『湯を沸かすほどの熱い愛』を観ました。

主演の宮沢りえが、日本アカデミー賞で
最優秀主演女優賞を受賞した作品。

余命わずかと宣告された双葉(宮沢りえ)が、
残された時間の中で家族との絆を深めていく
というあらすじは、あらかじめ知っていました。

まあ、最近よくある“感動押し売り系”なんだろうな、
と思っていたら、そんな単純な話ではありませんでした。
私、なめてました。 すみません。 m(_ _)m

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 「家族の在り方」を問うような映画。
 どういうわけだか、(星野)源クンが歌う
 『Family song』の世界観とダブりました。

 強く たくましく、
 優しく 真っ直ぐな双葉。
 家族や周りの人々に愛情を注ぎますが、
 一番愛情に飢えていたのは
 彼女だったのかもしれません。

 難しい役どころを、
 宮沢さんは体当たりで演じていました。
 最優秀主演女優賞を受賞するのも納得。


素晴らしい映画でしたが、一点だけ。
学校でいじめられ、制服を盗まれた
高校生の娘・安澄(杉咲花)は、登校を拒否します。
「逃げたらダメ!」と学校に行かせようとする双葉。
その後の強引な流れは、ちょっとどうかな?と。
(そんな簡単に決着がつく話じゃないだろうに)

あと、双葉は、すい臓ガンなんですね。
それが他の臓器にも転移して、余命2〜3カ月と言われます。
私の母も、同じガンで亡くなったので、
後半、入院中の双葉を見舞う安澄を
自分の過去と重ねて観てしまい、久々に号泣しました。
(たぶん、映画『いつも心に太陽を』以来)
もう何年も前の話なのにね。ダメですね、辛くなっちゃって。

ラストシーンは、冷静に考えたら有り得ないものなのですが、
映画の世界にどっぷり浸かり、双葉とその家族に
感情移入してたせいか、むしろそれが自然に感じました。

そして、ラストでこの映画のタイトルの意味が分かりました。
ぜひネタバレサイトなどを見ずに、鑑賞していただきたい作品です。
| 2017.12.20 Wednesday | 2017 movie | comments(0) |
TOO YOUNG TOO DIE! 若くして死ぬ
宮藤官九郎 監督・脚本の映画『TOO YOUNG TOO DIE! 若くして死ぬ
日本映画専門チャンネルで放送していたので、観ました。
この作品、映画館でお金出してまで観たいわけでもなく、
TSUTAYAでレンタルまでして観たいわけでもなく・・・
でも、テレビで放送するなら、観るっしょ!(タダだし!)

この間、『パーティで女の子に話しかけるには』の感想で
「アクが強くてガチャガチャしてるのは好みじゃない」とかなんとか言いながら、
なんで、こんなうるさそうな映画を観るわけ?と、咎められそうですが。

だって、クドカンの作風は分かってるから。
もう、最初から くだらないの承知の上ですから。
『パーティで〜』の時にも書きましたが、
しっちゃかめっちゃかなのは いいんです、別に。

クドカンの脚本で いつもスゴイなあ〜と感心するのは、
最後には見事なまでに、「しっちゃかめっちゃか」の全部を収束させる。
その「しっちゃかめっちゃか」がそれぞれ伏線だったりして、
なんなら、ちょっと深イイ話にまで持って行っちゃう。
その振り幅の広さがクドカン作品のイイところ、なんじゃないでしょうか。

まあ、相変わらず くだらない小ネタと、中2レベルの下ネタの連発でしたが。
(クドカンは、ドラマでは最小限に留めるけど、映画だと炸裂しますよね・・・)
好きか、嫌いかで言ったら、好きではないけれど、まあ面白かった。
最終的には人間ドラマとしてまとめてるから、
それまでの くだらない小ネタも下ネタも許せるというか。

半分以上が地獄のシーンで、セットのせいか、
ちょっと大人計画の舞台っぽかったかも。
(いや、むしろ、大人計画の舞台で観てみたいかも!)

それと、地獄でバンドやるっていうなら、やっぱりデスメタルなのかな〜?
と思っていたら、全然 デスじゃないし、メタルでもなかった。
どちらかと言うと、ハードロック?
主題歌なんて、メロディーラインもキャッチーだし。
(クドカン作詞の歌詞は、しょうもなく馬鹿馬鹿しいけど。苦笑)


 クドカン作品ではお馴染みの長瀬君は、
 やっぱり相性◎ですね。
 地獄の「キラーK」、現世の「近藤さん」
 うまく演じ分けてたし。
 主人公・大助役の神木君も巧かった。
 ドラム担当のCOZY役の桐谷君も
 おバカキャラがハマってた。
 でも、なんでベース担当の邪子役が
 清野菜名ちゃんなのよ!?

 今、テレ朝の昼ドラマで
 『トットちゃん!』やってる子、だよね?
 最初、鬼の恰好&メイクで
 誰だか全然分からなかったけど!


まあ、じゅんこ(皆川猿時)率いるバンド「デビルハラスメント」のドラム担当が、
シシド・カフカっていうキャスティングは、妥当だと思いましたが。
あれ? 皆川さんが女子役で、ガールズバンドのボーカルなのは、いいのか?(笑)

あ、あと、古田(新太)さんが閻魔様なのは、「でしょうね」と思いました。

そして、この映画はデートにオススメしていいのか?
(一応、ラブストーリーの要素も含んでいる)

・・・って、オススメできるかーー!(笑)

でも、過去にデートで大人計画を観劇していて、
それでゲラゲラ笑って盛り上がれるカップルなら、アリだと思います。

それにしても、この映画、撮影の度にメイクが大変だっただろーなー。
| 2017.12.10 Sunday | 2017 movie | comments(0) |
希望のかなた
アキ・カウリスマキ監督の最新作『希望のかなた』を観ました。

先日の『パーティで女の子に話しかけるには』が
どうも消化不良というか、後味が良くなくて。
それでいて、インパクトあるシーンが頭にこびりついていて。
(逆に、それだけ記憶に残るって、すごい映画かも!?)

だから、自分のテイストに合う作品を観て、
リセット&上書きしたくなったのです。

本作は、今年のベルリン国際映画祭で監督賞を受賞した作品。
前作『ル・アーヴルの靴みがき』から始まる“港町3部作”。
シリーズ名を“難民3部作”に変え、本作はその2部になるそうで。

(なのに、監督は引退したい意向を発表していて。
 シリーズ全部撮りきってないのに、引退しちゃダメじゃん!)

いやあ、久々に 観賞後に感情が言葉にならないというか、
この感動を言葉に変換したくないと思った作品でした。

カウリスマキ作品の好きなところは、過去にも書いているので省略しますが、
これまでのテイストを残しつつ、社会派として主張や問題提起も打ち出しています。

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 シリアからフィンランドに逃れてきた
 難民の青年カーリド。
 (妻夫木聡と山田孝之を足したような顔)

 妻と別れ、洋服卸の仕事も辞め、
 レストランの経営者として心機一転を図る
 フィンランド人の中年男性ヴィクストロム。

 接点のない二人の人生が、
 ひょんなことから交差します。


祖国のシリアでも、フィンランドまで逃げてくる間も、
フィンランドに入国してからも、ずっと不遇続きのカーリド。
見ていて、やるせない気持ちになるんです。
だからこそ、ヴィクストロム達の存在に救われるんです。

ヴィクストロムをはじめ、レストランの従業員たちは
みんな無表情だし、多くを語らないし、
あまり他人に関心がないように見えます。
しかし、実は 心優しく、慈悲深い人たちなんですね。

こういう映画を作るカウリスマキ監督って、
ものすごくいい人なんじゃないかしら!?と思ってしまう。
作品から慈愛が滲み出ている。

でもね、直球じゃないんですよね、その表現が。
ちょっとシニカルなシーンだったり、
ちょいちょいユーモラスなシーンを入れてくる。
シャイ、なんですかね?
ま、そういうところも好きなんですけれども。

あと、今回も監督の親日家っぷりが堪能できます。
(日本人なら笑えること間違いなし!のシーンあり)
そして、音楽とか色合いとか、カウリスマキ作品には
なぜだか70年代の昭和歌謡のような哀愁が漂います。

ラストシーンだけ、ちょっと疑問が残りました。
「え、どういうこと? どっちなの??」と。

本作の原題は 「The other side of hope」
直訳すると「希望の別の面」 つまり、希望の裏に潜むもの。

この映画で伝えようとしていることを考えると、
タイトルは原題の方がしっくりくるような気がします。

| 2017.12.08 Friday | 2017 movie | comments(0) |
パーティで女の子に話しかけるには
映画『パーティで女の子に話しかけるには』を観ました。

邦題が原題の直訳そのまんま、という珍しい洋画。
(でも、このタイトルは本編と関係あるような、ないような)

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 48時間後に自分の星に帰らなければならない
 女の子・ザン(エル・ファニング )と、
 パンクが大好きな男の子・エン
 (アレックス・シャープ)の恋物語。

 観ようと思ったキッカケは、
 新聞に載っていた監督のインタビュー。

 映画『マレフィセント』で魅力的だった
 エル・ファニングが演じる
 異星人も見てみたかったし、
 好奇心そそられて。


それで、観たわけですが。
好きか、嫌いか、と訊かれたら・・・う〜ん、好きではない、かな。
こういう世界観は、好みが分かれると思います。

私は、不思議でファンタジーな世界観を期待していたんだけど、
実際はテイストが違いました。
グチャグチャしたカオス状態で、アクが強くてガチャガチャしてる。
(上記のメインビジュアルに騙されるべからず!)

アナーキーなパンクに、エログロ・ナンセンスとシュールを混ぜて、
精神世界を少々加えて、そこからピュアを抽出しようとした感じ?
しっちゃかめっちゃかなのは、いいんですよ、別に。
だけど、支離滅裂なところは消化不良気味でした。
そこは「不条理ってことでOK」とはいかなかったです、私は。
なんか、監督がいくつか温めていたアイデアを
強引に一つの物語にまとめようとした気がしてならないんですよね。

ザンとその仲間たちが宇宙人だということは、
あらかじめ その設定を知っていたから解ったけれど、
それがなかったら、いまいち解らなかったかもしれない。
だって、彼らの話は、チンプンカンプンで理解不能だから。
(逆に、エンは、よく彼女の話を理解して、すんなりと受け入れたものだ)

そもそも、彼らは何の目的のために地球にやってきたの?
(別に、来ても来なくても、どっちでも良かったんじゃないの??)
彼らの行動は、奇妙で奇怪で謎だらけ。
特に、ある行為とその結果は、何を意味していたのか?
カラフルで奇抜なコスチュームやシュールなダンスも面白いんだけど、
どうも宇宙人っぽくないというか。 SF感がゼロなんです。

そうか、SF感がないから、なんか しっくりこないのか!
だから、エンの友達が言うように、
「怪しいカルト集団(=地球人)」のように見えてしまう。
さらには、時々 雑技団だったり、ただのコスプレ集団だったり(苦笑)

そんなこんなで、私が出した結論。

「パンクとファンタジーは融合しない」

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| 2017.12.06 Wednesday | 2017 movie | comments(0) |
舟を編む
映画『舟を編む』を観ました。

好きな俳優さんばかり出てるし、ずっと観たいと思いながら、
観る機会がないままだったんです。(ちなみに、原作の小説は未読)
『広辞苑』のような大型の新しい辞書『大渡海』を編纂する人々のお話です。

本作が公開されるまで注目されることのなかった「辞書を作る」という仕事。
辞書の編纂には、途方もない年月がかかるということ。
掲載する言葉を選定するところから、
一つ一つの意味をどう説明するか、という問題。
それらは、公開時にも話題になりましたよね。

でも、それ以上に私が感動したのは、辞書編集部のセットです。
美術さん、ものすごく大変な仕事をしてます!

あと、元・雑誌編集ライターの立場から言わせていただくとですね、
第五校まで校正するなんて、考えられない!です。
しかも、雑誌じゃなくて、(広辞苑レベルの)辞書でしょ!?
うわ〜、想像しただけで発狂しそう(苦笑)


 松田龍平演じる馬締(まじめ)君と
 宮あおい演じる香具矢(かぐや)さんの
 出逢いから、その後の展開とか。

 後半、『大渡海』編集部が
 助っ人達で大所帯になった時に、
 誰一人として不平不満を漏らさず
 一丸となって出版を目指すあたり。

 多少 出来すぎた感はありましたが、
 なかなか見応えのある佳作でした。
 さすが、日本アカデミー賞を
 獲るだけのことはあります。


あと、オダギリジョーが辞書編集者の一人として出ているのですが、
同じ編集者でもドラマ『重版出来!』の五百旗頭さんとは大違い。

当たり前だよ、違う役なんだから。
辞書の編集と、マンガ誌の編集でも大違いなわけだし。

・・・と、頭では解ってはいるのだけれど、
五百旗頭さんファンとしては複雑な心境なわけですよ。

その役柄の違いについては、オダギリさんがインタビューで答えているので、
よろしければ、どうぞ。 ⇒ 

五百旗頭さん、やっぱりステキ〜☆
| 2017.11.23 Thursday | 2017 movie | comments(0) |
世界から猫が消えたなら

 オンデマンドで
 『世界から猫が消えたなら』を観ました。

 普段なら、あまりチョイスしないジャンル。
 選んだ理由は、佐藤健君と
 宮あおいちゃんの演技が観たかったから。
 それと、配信終了日が近づいてたから。
 あとは、なんとなく泣きたかったのかな。

 でも、自分でも意外なくらい冷静に
 フラットな気持ちで観ていて、
 切なかったけど、涙は流れませんでした。


なんでかな。
ファンタジーの要素が強かったからかな。

なんだろうな。
そこに有る無償の愛の尊さに、自分のエゴを恥じたのかもしれない。

そうそう、脚本が岡田惠和さんだとは知りませんでした。
もっと、ちゃんとセリフを意識して観ればよかった。

あと、本編よりも、エンドロールで HARUHIが歌う主題歌
『ひずみ』が流れた時の方が、涙腺はヤバかったかも。

決して巧い歌い手だとは思わないけど、歌声に意志の強さを感じる。
ちょっとCoccoっぽいかな、歌い方が。
(そして、小林武史のメロディー、ずるいよね)


| 2017.11.04 Saturday | 2017 movie | comments(0) |
三度目の殺人
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 勝手に2本立ての2本目は、
 是枝裕和監督の最新作
 『三度目の殺人

 主演は、福山雅治、
 役所広司、広瀬すず。


どうしても、これの前に観た『散歩する侵略者』と比較してしまうわけですが、
こっちの方が良かったです、私的には。

そして、そうなると、どうしても「黒沢VS是枝」のようになるわけですが、
是枝監督の方に軍配をあげたくなりました、私的には。

何が真実で、何が正論で、何が正義なのか。
真相を明らかにすることが、本当に幸せなことなのか。
答えが出せないままに終わるラストも、是枝監督らしいというか。

知らずに観たのですが、本作には 斉藤由貴が出ているのですね。
まあ、先の不倫報道があったせいで、発言がすべて嘘に聞こえてしまい、
それが役と同化して、逆に映画に絶妙なリアリティを与えてしまった、
という監督もビックリの効果あり、でした(苦笑)
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| 2017.10.25 Wednesday | 2017 movie | comments(0) |
散歩する侵略者
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 勝手に2本立ての1本目は、
 黒沢清監督最新作
 『散歩する侵略者

 主演は、長澤まさみ、
 松田龍平、長谷川博己。


いやあ、ちょっとガッカリ・・・でした。
何なんでしょう、このB級感は?
メジャーな俳優を集めたのに、なんだか自主制作した映画っぽい。

えーと、黒沢監督、真剣に撮って・・・ますよね?
もう、いっそのこと、「ふざけちゃいました!(テヘペロ)」
と、おどけて言われた方が、まだ救われる(涙)

たぶん、まず設定に B級感が漂ってる気がするんですよね。
宇宙人が地球を侵略するっていう話なんだけど、
なんでターゲットが日本だけなのよ?っていう(苦笑)

そしたら、この映画って、もともと舞台の作品が原作としてあるそうで。
ああ、それなら納得。 舞台という限られた空間で描くのであれば、
むしろミニマムな世界の方が、人物の心理描写が生きてくる気がするから。

ところが、これが映画となると、一気にチープになるというか。
その他、とにかく「なんで、そうなるの!?」とツッコミどころ満載で。

私、黒沢監督のオリジナル作品の方が好みなのかも。
(まあ、全部観てるわけではないので、偉そうなこと言えないけど)

ここ数年の原作ありきで撮られた
クリーピー 偽りの隣人』『岸辺の旅』は、いずれもグッとこなかった。

あ! でも、映画じゃないけど、『贖罪』は良かった。
(だけど、それは原作が 湊かなえだったから、かな・・・)
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| 2017.10.25 Wednesday | 2017 movie | comments(0) |
パターソン
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 先日、ジム・ジャームッシュ監督の
 『パターソン』を観ました。

 パターソンという街に暮らす
 パターソンという名のバス運転手の
 平凡で変わり映えはしないけれど、
 愛情に溢れた一週間を描いた物語。

 ※あらすじは公式サイトをご覧ください。


予告編を観ると、何かが起こりそうな気配を漂わせていますが、
重大な事件が起こることはない、静かで穏やかな映画です。
(予告編の作り方は巧いけれど、これだと誤解されそう)

非常にシンプルな作品なのですが、映画が終わった時、
皆さんが寄せているような感想を持たなかった私。
なんだか、すごく考えてしまった自分がいて。
どうも単純に幸福感を味わう余裕がなかったというか。

なぜかしら?と、鑑賞後に考えてみました。
行き着いた答えは、主人公のパターソンが綴る詩が原因ではないか、と。

彼の趣味は、詩を書くこと。
毎朝 職場に着いてからバスが出るまでのわずかな時間や、
帰宅してから地下の小部屋でノートを開き、日々の想いを詩に綴ります。

その時、スクリーンの左上には彼が綴るスピードで
詩がテロップのように表示されます。(もちろん英語で)
そして、スクリーンの下部には、日本語の字幕が出ます。

この映画に登場する人物が、こんなことを言います。

「詩の翻訳は、レインコートを着てシャワーを浴びているようなもの」

なるほど、言い得て妙です。

翻訳した文章って、何が書かれているか、内容を理解することはできる。
でも、原文が持つニュアンスとか、余韻とか、リズムとか、韻の踏み方とか、
そこから生まれる情景みたいなものは、ダイレクトには伝わらないですよね。
(日本語の俳句を英訳した時の味気なさも然り)

本作で私は、まず英語の原文を読み、日本語字幕を後追いで読み、
その詩が表現しようとしていることを想像してみる・・・
という作業を繰り返していたみたいなんですね。

しかも、その詩が単純明快なものであれば問題なかったのですが、
解るような 解らないような内容だったものですから、
余計に脳ミソを使ってしまい、映画の世界観を楽しむ以前に
くたびれてしまったのかな、というのが自己分析の結果です。

分析結果はこのくらいにして、映画の感想も少し。

パターソンと妻のローラは、それぞれ趣味で芸術活動をしています。
パターソンは詩を書き、ローラは家の中をペインティングしたり、
ギターを買ってもらってカントリー歌手を目指そうとしたり。
この二人、キャラクターは正反対なんだけど、お互いの才能を認めていて、
付かず離れずの距離感が とってもステキだな、と思いました。

決して裕福ではないけれど、精神的な豊かさがあるから、
彼らはとても幸せそうに見えるのです。
その証拠に、二人が日々の暮らしに不平不満を言うシーンがない。
無理したり、何かを我慢している様子もなく、二人の日々に満足している。
それって、素晴らしいことだと思います。
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| 2017.09.17 Sunday | 2017 movie | comments(0) |
東京日和
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 先日記事を書いたことで、
 映画『東京日和』を
 もう一度観てみよう、
 という気持ちになりまして。

 久しぶりに観てみました。


この映画を初めて観た時にも感じたのだけれど、
主人公の妻・ヨーコ役の中山美穂が、ちょっと・・・

この映画の要は、なんといってもヨーコです。
彼女の少し危うさをはらんだ神秘的でさえもある美しさに
リアリティーがないと、始まらない作品だと思う。

その点、中山美穂の外見は十分にクリアしています。
ただ、「その点だけ」というか、それ以外は・・・

さらに、撮影からだいぶ時間が経過した今観ると、
中山美穂の私生活のゴタゴタやら、余計な情報が邪魔して、
「ヨーコ」ではなく、「中山美穂」を見ているような感じで。

例えば、宮沢りえだったら?
(映画『トニー滝谷』で、既に似たような役は演じてるか)

例えば、麻生久美子だったら?
(映画『たみおのしあわせ』で、謎めいた美人は演じてるか)

と、空想キャスティングが始まってしまいました(苦笑)

あと、この作品にはいろんな人がカメオ出演しているのですが、
結構忘れている場面が多かったです。

主人公・島津が、地下鉄の電車内で向かいに座っている
軍服姿の怪しい男を隠し撮りするシーンがあるのですが。
その男が塚本晋也監督だったことはうっすら覚えていたけれど、
それに文句を言いにくる女は、ふせ(えり)さんだと思い込んでた。
(正解は、山口美也子さん)

あと、周防正行監督が郵便配達人だったり、
中島みゆきがママのスナックで島津と飲んでる相手が、
森田芳光監督だったり。
ベンチで本を読んでる青年が、浅野忠信だったり。

下北の小劇場スズナリで、入場待ちで並んでいる時に
島津のファンだと近づいてくる若い女の子役が、
内田也哉子さん(注)だったり。
(注:内田裕也& 樹木希林の娘で、本木雅弘の奥さん)
そして、也哉子さんの喋り方や声が、
映画『あん』に出演していた娘の伽羅ちゃんと
そっくりで、これまたビックリ。

それにしても。
大貫(妙子)さんの主題歌は、切ない。切なすぎる。
観賞後、この曲に感情が持っていかれてしまっていて、
どうにも表現できない制御不能なこの気持ち、
どうにかせねばと思うのですが、どうにもできそうにありません。
| 2017.08.14 Monday | 2017 movie | comments(0) |
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