白ゆき姫殺人事件
白ゆき姫殺人事件』を観ました。

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 湊かなえ原作(未読)、中村義洋監督なら
 まず つまらないことはないだろうと
 思って観ましたが、しっかりとした
 エンターテイメント作品に仕上がってました。

 実際、関係性の薄い人々の先入観や偏見、
 ネットの匿名による無責任な書き込み、
 メディアの偏った報道によって
 人物像が捏造されるケースは有り得ますよね。

 いつの時代も、人の噂って恐ろしい・・・


それはさておき。
八日目の蝉』を観た時にも思ったけど、
井上真央ちゃんに地味な役は似合わない気がします。
だって、地味に見えないんだもん。
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| 2015.12.27 Sunday | 2015 movie | comments(0) |
太陽を盗んだ男
沢田研二主演の映画『太陽を盗んだ男』(1979)は、
人気スターのジュリーを起用したエンターテインメント作品だったにも関わらず、
公開当時 興行は振るわず、カルト映画と言われてきた作品。
今まで何度か名画座でリバイバル上映されて観る機会があった。
今は無き東銀座シネパトスとか。

それなのにスルーしてきたのは、
多分この映画の製作が1979年だったからだろう。
タイガース時代のジュリーが好きだった私は、
70〜80年代のジュリーにはあまり興味がなかった。
でも、いつか機会があれば観てみたいと思っていた。

遂にその機会が訪れたので、満を持して観ることにした。
いやはや、衝撃作というか、問題作というか。
結論から言うと、すこぶる面白かった!

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「中学の理科の教師が
 プルトニウムを盗み出して
 自宅で原子爆弾を作り、
 国家を脅迫する」という
 荒唐無稽な発想とストーリーに加え、
 有り得ないでしょ!という
 ツッコミどころ満載の展開。
 (終盤はもう苦笑い)
 なのに、なせだか惹きつけられる。


主人公は“しらけ世代”で冷めているのに、映画全体はめちゃくちゃ熱い。
国家を脅迫するなんて言うから社会派の内容かと思いきや、
主人公は政府に対して要求したいものがあるわけではない。

アクションあり、スリルあり、ロマンスあり、
シリアスあり、ユーモアあり、何でもありなんだな、この映画は。
なんていうか、熱々で激辛の石焼ピビンパを食べながら、
コーヒーフロートを飲んでるみたいな感じ?
パンチがあって激しいのに、クールでシュールで、
大人のようでいて子供じみてるし、どこか滑稽で何か空しい・・・

長谷川和彦という監督が放つ熱量が、ハンパない。
皇居前広場や銀座の歩行者天国でのゲリラ撮影とか、
首都高でのカーチェイスとか、今では考えられないような撮影。
(いや、当時だって考えられなかったけど、やってしまったのだから凄い)

東日本大震災以降、原発が身近で日常的な問題となった今では、
とても不謹慎で、こんな映画は作れないと思う。
プルトニウムの扱いには疑問点も多く、脚本は支離滅裂なんだけど、
そんなものはどうでもよくなってしまうから不思議。

大胆なカット割りに、井上尭之のイカしたサウンドが
たまらなくカッコイイ。
また、哀愁漂うリフレインは、主人公の虚無感を表しているかのよう。

本作が公開された1979年のジュリーといえば、
『カサブランカ・ダンディ』を歌ってた頃。
この映画の主人公は、いつも風船ガムを噛んでいて、
生徒からも馬鹿にされるダメダメな教師で、ダラダラした男。
ダサくて間抜けなシーンも多いけど、
当時の女性ファンはどう観ていたのかな。
ジュリー本人は、イキイキと演じているように見受けられたけど。

ちなみに、公開翌年の80年には『TOKIO』をリリース。
奇抜なスタイルで一世を風靡しました。
何か自分の中の殻を破りたかった時期だったのでしょうか。

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| 2015.12.15 Tuesday | 2015 movie | comments(0) |
麦子さんと
堀北真希主演の映画『麦子さんと』を観ました。

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 途中いろいろあるものの、見終わってみると
 とてもシンプルな母と娘の物語だなと思いました。
 
 「今では想像できないけど、
  母は昔アイドル志望だった」
 という点は、『あまちゃん』の春子さんと同じですね。

 出番は多くないんだけど、
 麦子の兄役の松田龍平の演技が自然で良かった。
 (あ、こっちも『あまちゃん』だ)

それにしても、なんで、堀北真希ちゃん??

いや、なんで堀北真希ちゃんが麦子役に選ばれたのか?っていうのと、
なんで堀北真希ちゃんは麦子役を引き受けたか?っていう、2つの疑問。

だって、麦子のキャラじゃないでしょう、堀北真希ちゃんは。
意外性はあるけどさ。
堀北真希ちゃんにとっても、この作品は地味だし、
女優としてのキャリアに重要な何かがあるとも思えず。

最後まで、私の中の「なんで?」は消せませんでした。

ついでにもう一つ。
なんで、タイトルは『麦子さんと』・・・なの??
| 2015.12.12 Saturday | 2015 movie | comments(0) |
生きる
黒澤明監督の『生きる』を観ました。

“世界のクロサワ”と言えば“サムライ映画”という印象が強かった私。
それは、私が観たことのある黒澤作品はすべて時代劇で、
しかもすべてアメリカで観たことが影響しているのかと思う。

確かに有名な作品は時代劇が多いけれど、数で言ったら
社会派ドラマや人間ドラマも同じくらい撮っているのかも。

恥ずかしながらワタクシ、
映画のタイトルは知っていたけれど、その内容は知りませんでした。
あらすじは、こんな感じ。(Yahoo映画より引用)

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 癌で余命幾ばくもないと
 知った初老の男性が、
 これまでの無意味な人生を悔い、
 最後に市民のための小公園を
 建設しようと奔走する姿を描いた
 黒澤明監督による
 ヒューマンドラマの傑作。


これだけ読むと、「生きる意味を見出だした男性の姿」にフォーカスして
「人生とは何ぞや」を描くのが、まあ普通の発想かと思うんですが、
黒澤監督はちょっと変化球なんですね。そこが、意外でした。

(以下、ネタバレあり)

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| 2015.12.10 Thursday | 2015 movie | comments(0) |
あ・うん
向田邦子原作の映画『あ・うん』を観ました。

元々NHKのドラマとして書かれたものが
後に小説となって出版され、89年に映画化されたのが本作です。
(2000年には、TBSの新春ドラマとして放送もされました)


 本作の配役は以下の通り。

 門倉修造(高倉健)
 水田仙吉(板東英二)
 水田の妻・たみ(富司純子)
 水田の娘・さと子(富田靖子)
 門倉の妻・君子(宮本信子)


門倉と水田は昔の戦友で、深い友情で結ばれています。
中卒でサラリーマンの水田には年頃の娘がいますが、
戦後に事業で成功して社長となった門倉には子供はなし。
家族ぐるみで付き合いがある中で、
門倉、水田、たみの三角関係が物語の軸になっています。

「あれ、『あ・うん』って、こんなんだっけなあ?」
と観ながら思ったのですが、映画版の脚本は、向田さんじゃないのですね。

物語の時代設定は、昭和12年。
富司純子さんは、すごくハマってました。
高倉健さんは古風な日本の男という雰囲気ではあるのですが、
いまいち門倉というキャラクターとは違う気がしました。
健さんは「自分、不器用ですから」というイメージだけど、
門倉という男はもう少し器用に生きてるというか、
もっとスマートな男なんですよね。(そして女に好かれる)

板東さんが演じた水田は、努力・根性・忍耐で生きてるイメージ。
板東さんは本作でいくつか助演男優賞を受賞されているのですが、
どうも向田作品の世界観に馴染んでいなかったように思いました。
ていうか、板東さんは板東さんにしか見えないんだもん(苦笑)
一人、現代の人が紛れ込んでる感じが拭えませんでした。

あ、一人じゃなかった。
もう一人、富田靖子さんも80年代の女の子にしか見えなかった。
なんだろう、セリフの言い方とか、しぐさや表情が
当時のぶりっ子ぽくて、違和感があったかな。
宮本信子さんに関してはカメレオン女優だと思ってるので、
本作でも見事に成りきっておられました。

ちなみに、オリジナルは観たことないのですが、
配役は以下の通り。

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| 2015.12.04 Friday | 2015 movie | comments(0) |
ベイマックス
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 ディズニーアニメ
 『ベイマックス』を観ました。

 予告を観て、
 ほのぼの癒し系だと
 思っていましたが、
 中盤からは、完全に
 SFアクションでした。
 いや、「戦隊モノのアメコミ」
 と言った方が正しいかな。


観る前は知らなかったんですが、
本作にはマーベルコミックの原案があるんですね。
ちなみに、マンガ&映画ともに、原題は『Big Hero 6』
(って、ベイマックスがメインじゃないのか!)

「サンフランシスコ」と「トウキョウ」をミックスした
「サンフランソウキョウ」という
架空の未来都市が舞台なのですが、
まあ、細部まで描き込んだ背景画がスゴイ。
ほんの一瞬しか写らない場面にも手を抜かず、
アニメーター根性を感じました。
作画のために来日して取材も念入りに行ったそうで、
街並みをよく観察して描いたのが解ります。

とても実写化は不可能な映像の連続で、
そこはアニメならではだなあ、と思いました。
でも、スピード感がハンパなくて、
普段静かな映画ばかり見ている私には
ジェットコースターのように感じられました。
大きなスクリーンで観てたら、酔ってたかも。(*_*)

それにしても、物語の後半は
現実的には有り得なすぎて無茶苦茶でしたけど(苦笑)

あんだけ暴れまくったら、まず都市が崩壊しますがな。
死傷者も多数出ますがな。
非常事態宣言が発令されますがな。
ヒーローどころか、現行犯で捕まりますがな。
次の日から平穏無事に暮らせませんがな。

まあ、そこはファンタジーということで
ぼんやりさせておくべきところですかね。(^_^;)

そんなことより、ベイマックス!
動きがめちゃカワイイのねん。
特に歩き方。
足が短いから、トコトコというか、
ポヨポヨしててキュンときました。
体形は、ちょっとマツコっぽい?(笑)
ま、キャラは真逆だけど。
監督(だったかな?)は
トトロをイメージしたみたいだけど、
う〜ん、どうかなあ? ビミョー?かな。

最後は、続編を匂わせて終わりました。
うん、アリじゃないですかね。
作る(描く)のは大変そうですけど。

あと、私は字幕版で観たのですが、
日本語吹替版も気になりました。
ただ、主人公ヒロの叔母・キャス役の菅野美穂は、
オリジナルとはちょっとキャラが違う気がします。
| 2015.11.12 Thursday | 2015 movie | comments(0) |
恍惚の人

 『恍惚の人』(1973)を観ました。

 結婚後、俳優業を離れていた
 (高峰)秀子さんが
 久しぶりに出演した作品。
 脚本は、夫の松山善三氏。

 秀子さんの役どころは、
 痴呆症となった舅(森繁久弥)を
 介護する嫁の役。


森繁さんも、高峰さんも、やっぱり演技が巧い。
さすが昭和を代表する名俳優ですわ。

重たい内容の話ですが、映像には躍動感がありました。
主演の二人の体を張った演技が見物です。
| 2015.10.19 Monday | 2015 movie | comments(0) |
マザーウォーター
『かもめ食道』『めがね』『プール』シリーズの
流れを組む『マザーウォーター』を観ました。

京都を舞台にした群像劇なのですが、公開時の口コミはイマイチで・・・
シリーズではないんでしょうけど、同じ俳優陣が出演しているから、
ついこれまでの作品をイメージしてしまい、ガッカリしちゃうんじゃないかと。

タイトルに「ウォーター」とあるように、「水」がモチーフとして出てきます。


 ウイスキーバーの店主(小林聡美)
 豆腐屋の店主(市川実日子)
 珈琲屋の店主(小泉今日子)
 銭湯の店主(光石研)
 銭湯の手伝い(永山絢斗)
 家具工房の職人(加瀬亮)
 店を行き来する客(もたいまさこ)

 良いラインナップなんだけどなあ・・・
 スローライフをそのまま映像にした感じ。
 私は途中で眠くなってしまいました。


あ、食べ物に関しては、今までのシリーズ(ではないか)と同じく
とっても美味しそうでした!
でも、豆腐好きとしては、出来たてのお豆腐は、
何もかけないで食べるのがベストでしょう!
| 2015.10.15 Thursday | 2015 movie | comments(0) |
かぐや姫の物語

 地上波で放送されたジブリアニメ
 『かぐや姫の物語』 を観ました。

 観終わって、まず抱いた感想。

 「・・・で、姫が月で犯した罪と罰って、何!?」

 公開時、あんなに宣伝で謳っていたのに、
 結局 最期まで具体的な説明は出てこなかった・・・
 (;_;)


ネットでネタバレなんかを読んで、
なんとなく しっくり来たような、来ないような。 う〜ん。

それはとは別に、私が気になったのは、月から来たお迎えの人々。
『かぐや姫』(竹取物語) では
単に 「月に住む人たち」 だったと記憶しているんですが、
高畑監督の絵だと、完全に 「お釈迦様 with 使いの者たち」 ですよね!?
「月の人」 = 「神様」 ってことか。
あれれ〜、かぐや姫って、そんな仏教的なお話だったっけ〜?

そうやって観るとですね、作品の中で かぐや姫が語っていることが
宗教的な思想に置き換えられるような気がしてしまったり。
「あの世」 と 「この世」 の話なのかな??

昔、『オーラの泉』 という番組で、
美輪さんと江原さんが話してたような内容になってきちゃうけど。
あの世(天国)では、生前の苦しみや悲しみから解放され、
時間や空間の概念もなく、満ち足りた感情で過ごせる、とか。
この世(地上)は試練の連続で とても苦しいのに、
それでも人は生まれてきたいと願って生まれてくる、とか。

ああ、そんなこと考えてたら、眠れなくなっちゃったよ。
どうしてくれる、かぐや姫〜っ!(苦笑)

余談ですが、翁(地井武男)、媼(宮本信子)以外は
キャラクターのルックスが どことなく
声を演じた俳優さん達に似ていたように思うのですが、どうでしょう?
| 2015.03.13 Friday | 2015 movie | comments(0) |
小さいおうち
山田洋次監督の 『小さいおうち』 を地上波で観ました。



若き日の女中・タキさん役を黒木華さんが演じて、
ベルリン映画祭では最優秀女優賞、
先日の日本アカデミー賞では最優秀助演女優賞を受賞しました。

ですが、私は どちらかと言うと、
タキさんが奉公していた平井家の奥様・時子役の
松たか子さんの演技の方が印象に残ったかなあ。
年老いたタキさんを演じた倍賞千恵子さんも巧かったなあ。

でも、タキさんが晩年まで隠し通した “ 秘密 ” には、
ちょっと拍子抜けだったかも(汗)

あと、この映画、山田監督の前作 『東京家族』 に出演していた
ほとんどのキャストが、ちょいちょい出てくるんですね。
「同じ俳優を別の作品で異なる役柄で繰り返し起用する」 というのは、
昔の日本映画っぽいなあ、と思いながら観ました。

それと、着物姿の時子奥様が、
板倉(吉岡秀隆)が暮らす下宿の階段を上るシーン。
あれば、成瀬巳喜男監督の 『女が階段を上る時』 を
意識してるんじゃないかな!? と思いました。

時代設定もありますが、本作で山田洋次監督は
古き良き日本映画の黄金時代を追憶・追求しているように感じました。
意外にも、戦争中を描いた山田作品って少ないんですよね。
| 2015.03.01 Sunday | 2015 movie | comments(0) |
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