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| 2020.01.26 Sunday | - | - |
ソフィアの夜明け
人生初のブルガリア映画 『ソフィアの夜明け』 を観ました。



ブルガリアでは、映画は 年間わずか7〜8本しか 製作されないのだそうです。
そんなブルガリア映画が、日本で上映されること自体が異例中の異例と言えるでしょう。

日本公開のいきさつを紐解きますと、
本作は、2009年 東京国際映画祭 コンペティション部門でグランプリをはじめ
最優秀監督賞、最優秀男優賞の3冠受賞を達成、
アレハンドロ・ゴンザレス・インニャリトゥ監督や
イエジー・スコリモフスキ監督など、錚々たる審査員が絶賛した作品なのです。

とはいえ、監督・俳優・国そのものがメジャーとは言えない この映画を、
多くのリスクを背負って 日本での劇場公開までこぎつけた配給会社に拍手を送りたい!

いやはや、なかなか見応えのある作品でした。
公式サイトには 「青春映画」 とあるけれど、
様々な人物の目を通して描かれた群像劇であり、人間ドラマだと感じました。
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| 2010.12.17 Friday | 2010 movie | comments(0) |
愛が訪れる時

 東京フィルメックスで 私が鑑賞した3本目は、
 台湾のチャン・ツォーチ監督の 『愛が訪れる時
 私が観た3本の中でも一番の混雑ぶりで、
 監督の人気の高さが伺えました。


まず、音楽がいい。 カメラワークもいい。
オープニングから引きつけるものがありました。

10代の女の子・ライチュンは、繁盛するレストランの長女として生まれ、
大家族の中で暮らしているのですが、その家族構成がちょっと複雑。
前半は、その関係性がよく分からないようになっていて、
ライチュンの家族に対する憤り、閉塞感、孤独感が、
若者特有の反抗期としか映らず、ただのわがまま娘にしか見えません。

特に、女系家族同士の口喧嘩が、とにかく やかましいったら ありゃしない。
甲高いキンキン声で 延々と続く口論に、頭痛がして「やれやれ」とウンザリ。
(こういう時、私は完全に男目線です。苦笑)

後半、ライチュンが妊娠してしまったことから、
徐々に この家族が抱える問題が浮き彫りになってくるのですが、
前半で 彼女に苦手意識を持ってしまった私は、同情する気になれなかった。
(役柄が苦手なだけで、この女優さんが苦手という意味ではないです)

ライチュンの心情の変化も、ちょっと予定調和な気がしました。
彼女は、そんな簡単に 変われるものかしら? 
心の傷とか、家族との軋轢とか、溝は もっと深い気がするのだけれど。
(私が単に ひねくれてるだけでしょうか?)

どこか「めでたし、めでたし」的な ハッピーエンド風の終わり方をしたものの、
私には「この人たち これからどうするんだろう?」という不安が残りました。
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| 2010.11.30 Tuesday | 2010 movie | comments(0) |
夏のない年

 東京フィルメックス コンペティション部門の中から
 私が鑑賞した2本目は、マレーシア映画 『夏のない年


マレーシアの映画なんて、滅多に観られるもんじゃないし、
それだけで ワクワクするではありませんか!

昨年のフィルメックスで観たスリランカ映画『2つの世界の間で』 もそうでしたが、
日本ではなかなか公開されることのない国の映画というだけで、好奇心がくすぐられます。
そして、本作の作品紹介にも 前記事に書いた魅惑のキーワードが(笑)

オープニングの海辺に男が登場するシーンでは、ゾクゾクしました。
(そういえば、『2つの世界の間で』も、冒頭の海のシーンにノックアウトだった)

前半は、夜釣りのシーンが延々と続きます。
月明かりと海が美しいのですが、淡々とした長回しに眠気が襲ってきて、睡魔との戦いに・・・

しかしながら、この前半が大事なんですね。
重要なエピソードが潜んでいて、うっかり聞き逃すと後半がちっとも解らず、
つまらなくなって 損してしまうでしょう。 (キーワードは「蟹」です)

私は 睡魔をなんとか倒したおかげで(?)、後半がすごく胸に響きました。
この監督の持つ静かなトーンはいいかも・・・!  好きかも!? です。
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| 2010.11.30 Tuesday | 2010 movie | comments(0) |
トーマス、マオ
11月20日(土)から開催された 東京フィルメックス
昨日 28日(日)に 閉幕しました。

私は、コンペティション部門の中から 3本を鑑賞したのですが、
1本目は、中国映画 『トーマス、マオ』です。


 内モンゴルを舞台に、英語しか話せない西洋人(トーマス)と
 中国語しか離せない東洋人(マオ)の男2人が繰り広げる
 奇妙な数日間を 自由な発想で撮った作品です。


フィルメックスの傾向として、フライヤーの作品紹介に
「過去と未来」「夢と現実が交錯」「幻想的な映像美」
なんていうキーワードが出てくる場合は、気をつけなければいけません(苦笑)

本当に摩訶不思議というか、ストーリー的に掴みどころがないというか、
難解なアートフィルムっぽい作品であることが多いのです。
でもって、私は 先に挙げたキーワードに惹かれる傾向があり、
困ったことに 居ても立ってもいられなくなるのです(笑)

本作も それに該当しており、事前に読んだレビューでも
「頭が混乱する」だの、「観た人にしか分からない世界観」
というようなことが書いてあったので、かなり身構えて見に行きました。

そのせいか、思ったほどの奇想天外ではなく、理解に苦しむほどの仰天は無かったです。
(ストーリーは説明しづらいし、不思議な作品であることには間違いないのですが)

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| 2010.11.29 Monday | 2010 movie | comments(0) |
CIACHO
浅草で開催中の “ したまちコメディ映画祭 in 台東 ” に初参戦してみました。

私の目当ては、『CIACHO(チャホ)』 という作品。
“ ポーランドのコメディ映画 ” というだけで、興味をそそられてしまって。
東欧というだけで、シニカルだったり シュールな笑いを 勝手に想像していたのです。



しかし、予想は大ハズレ。

冒頭から、下ネタ&お下劣シーンの連続で、
『オースティン・パワーズ』 とか 『ナッティ・プロフェッサー』 みたいなノリ。
こういうノリ、まったく笑えないんですよね、私。 どこが面白いのか 解からない。
むしろ不快で、早々に 席を立ちたくなってしまった(泣)

それでも、後半は まだ映画として鑑賞できるものだったので、
途中で 席を立つことなく エンディングを迎えられたのですが。
(だけど、見終わって グッタリでした・・・)

展示会前で時間がない中、無理して見に行き、
「時間も お金も 無駄遣いしちゃった〜」 と後悔したけれど、
観てなかったら、どんな映画か ずーっと気になって
もっと もっと 後悔していたはずなので、ここは1つ 学習したと考えることにしました。

「ポーランドのコメディは、ハリウッド映画のノリなのだ」 ということを。
| 2010.09.18 Saturday | 2010 movie | comments(0) |
告白
映画 『告白』 を観ました。

中島哲也監督作品 (『下妻物語』 『嫌われ松子の一生』 『パコと魔法の絵本』 など)の
ド派手で 過剰で 破天荒な作風に 苦手意識を持っていた私でしたが、
「この作品の路線はアリ!」 と思いました。

特に、前半。 スローモーションを多用した映像美、絶妙な選曲、
様々な表情を見せる空の映像と音楽の合わせ方、複雑なカットワーク等々、魅了されました。

音(音楽)の途切れるシーンがほとんど無いのは、意図的だったのでしょうか?
意図的なのだとすれば、原作の各章が登場人物の独白で構成されていることから、
単調にならないように工夫をしたということなのかもしれません。
あの原作に、これほどまでのリズムやテンポを生み出したのは見事です。 拍手!

ただ、音が多すぎて耳障りに感じられるシーンもありましたし、
役者の演技やアクションに オーバーな演出をつけるところなど、
過剰な撮り方は、やっぱり中島監督の映画なんだなあと感じました。

(以下、ネタバレ?あり)

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| 2010.06.30 Wednesday | 2010 movie | comments(0) |
ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜

 松たか子さんが 日本アカデミー賞 主演女優賞を受賞した
 『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』 を DVDで観ました。

 またもや(いつも通り)事前情報を入れず、
 原作も未読の状態で観たのですが、
 果たして、それが吉と出たのか、凶と出たのか・・・

 (以下、ネタバレ?あり)


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| 2010.06.14 Monday | 2010 movie | comments(2) |
イエジー・スコリモフスキ '60
5/29(土)〜6/11(金) シアターイメージフォーラムで特集上映された
【イエジー・スコリモフスキ '60年代傑作選】

4本、全部観ました。

と言っても、一気に 4本観たわけではなく、
2週間かけて 仕事の合間に 空き時間を見つけては、足しげく 映画館に通いました。

以下、パンフレットより解説を抜粋。 (鑑賞順)

 『身分証明書』 (1964年)

 スコリモフスキが監督・脚本・主演の
 一人三役をこなした長編デビュー作。
 あてもなく街をさまよう青年の屈折した内面を
 詩情あふれる映像と大胆なカメラワークで描いた作品。
 監督は、自身が演じたアンジェイを次作にも登場させる。


 『不戦勝』 (1965年)

 『身分証明書』 から6年後のアンジェイを描いた第2作。
 アマチュア・ボクサーをしながら不安定な生活を送る彼は、
 街で若い女と出会う。手持ちカメラによる長廻しの見事さ、
 ボクシング試合の迫力等、2本目にして力量を感じる逸品。


 『手を挙げろ!』 (1967年)

 スコリモフスキが三度、主人公アンジェイ役を演じた
 “ アンジェイもの ” 3部作の最終篇。
 劇中スターリンの肖像をあまりにも強烈な映像美で表現し、
 公開時に上映禁止となったいわくつきの作品。
 以後、スコリモフスキは国外で活動することになる。


 『バリエラ』 (1966年)

 戦後ポーランド社会の抱える世代間の「障壁」(原題)を
 象徴的なスタイルで描いた作品。
 モノクロ映像の信じがたい美しさ、意表を突いた画面構成等、
 超現実的な場面の数々が衝撃を与えるカルト的傑作!
 スコリモフスキの名を一躍世界に轟かせた1本である。


昨年観た 『アンナと過ごした4日間』 の印象が強かったのですが、
初期の作品は ストーリーを追うというよりも アートフィルム的でした。

アバンギャルドで、大胆で斬新な画面構成と映像美。
“ ポーランド映画のヌーヴェル・ヴァーグ ” と称されるのも納得です。

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| 2010.06.12 Saturday | 2010 movie | comments(0) |
ナイト・オン・ザ・プラネット
ジム・ジャームッシュ監督作品 『ナイト・オン・ザ・プラネット』 を観ました。

(レンタルしたまま、ずっと観れていなかったDVDとはコレのこと)


 ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキ。
 5つの都市の同じ夜。
 それぞれの街を走るタクシーの中で
 繰り広げられる5つの物語・・・
 小気味いい小噺を紡いだような映画でした。

 ただ、寝がけに ベッドで横たわって観たものですから、
 第4話 「ローマ篇」 のタクシー運転手(ロベルト・ベニーニ)が
 破廉恥な懺悔を 早口で延々と捲くし立てる辺りは
 ちょっと退屈に感じられ、つい ウトウト・・・(苦笑)


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| 2010.03.29 Monday | 2010 movie | comments(0) |
おと・な・り
今月初めにネットで借りたDVDを、未だに観ることができてない・・・
友達が録画してくれたドラマのDVDも、まだ観るに至らず・・・
正直、DVDを鑑賞するような余裕がないのだ、今は。

なのに、だ。

母が、映画 『おと・な・り』 を借りてきたのだ。
おまけに、明日返却すると言うではないか。
だから 「観るなら、今晩中に観ちゃって」 と(涙)

そしたら、観ないわけにはいかないですよね〜?(苦笑)


 私が想像していた内容とは
 かなり違っていたのだけれども、それがよかった。
 この映画、好きかも。 いや、すっごく好きかも!!

 というのも、ラブストーリーが苦手の私ですが
 2本だけ好きな恋愛映画がありまして、
 その内の1本 『ワンダーランド駅で』 にも似た
 “ 変化球 ” だったからです。
 (ちなみに、もう1本は 『好きだ、』 )


あと、キャストの自然な演技がまた良かったですね。
主演の 岡田准一君&麻生久美子ちゃんも自然体だったし、
他の脇を固める役者さんも 安定したイイ演技だったなあ。

映画の舞台となる古びたアパートも、私好みでした◎
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| 2010.03.25 Thursday | 2010 movie | comments(2) |
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